大型アップデートを終えたゲームと、サービスを終えたゲームは違います。『PEAK』は前者です
島の中央にそびえる山を最大4人で登る協力登山ゲームです。開発元は8月11日に大型アップデートを終えたと明言しましたが、9月2日にまたパッチが届きました。2026年9月3日のSteam当日最高同時接続は45,686人。マッチングが無いのでSteamのフレンド一覧がそのまま募集窓口になり、支払いは最初の一度きりです。

開発元はこのゲームの最後の大型アップデートを8月11日に出しました。公式FAQがはっきり書いています。CitadelとGloomのバイオームが出たことで『PEAK』は最後の大型アップデートを受け取り、以後はバグ修正と保守だけになる、という文です[5]。同じ答えに、ずっと運営し続けるゲームにするつもりはないという一行も付いています[5]。
それでも9月2日にパッチが届きました。バージョン2.04.aはマップ巡回から外れていたCALDERAとTHE KILNを戻し、カルデラの上空にコンドルを飛ばし、キルンに石化する岩と熱い岩の橋を足しました[4]。同じ日にホットフィックス2.4.bが出て、レンダースケールの表示崩れと一時停止画面のSteamアバターの位置を直しています[4]。
大型アップデートを終えたゲームと、サービスを終えたゲームは違います。2026年9月3日にSteamの最多プレイチャートを開くと『PEAK』は上位50位の中にいて、その日の最高同時接続は45,686人でした[7]。以下の数字はすべて、その日にストアと公式告知から直接読んだ値です。
島の中央にある山を、最大4人で登ります
舞台は島が一つです。遭難した自然調査隊になり、島の中央にそびえる山を登ることだけが脱出の手段で、その道中で性格の違う4つのバイオームを通ります[3]。Steamの短い紹介文は、わずかなミスが命取りになる協力登山ゲームだと自ら説明しています[1]。
一緒に登れるのは自分を入れて4人までです。会話は近接チャットで行います。近接チャットとは、近くにいる人の声だけが聞こえる方式のことです。登攀用のアイテムが何種類もあり、食べてみないと分からない食料があり、焚き火とマシュマロがあり、見た目を変えられて、落ちた人は幽霊になります[3]。
地形は手続き型生成です。人が手で描いた地図を使い回すのではなく、規則を決めて機械が毎回新しく組み立てる方式を指します。その地形が一日に一度まるごと入れ替わります。8月27日のパッチ告知が、GloomとCitadelを含む新しいマップ群を日次巡回に追加したと書いています[4]。
Steamの公式ジャンル表記はアクション、アドベンチャー、インディーです[2]。ユーザーが付けたタグはマルチプレイヤー、オンライン協力、協力、物理演算、アドベンチャー、探索、一人称、コメディの順に並びます[1]。物理演算とコメディが隣り合っているのは偶然ではありません。このゲームの笑いの大半は、誰かが滑る場面から生まれます。
880円のあとに、レジがひとつもありません
購入欄にはボタンが一つしかありません。日本の価格は880円、米国では7.99ドル、韓国では8,400ウォンで、2026年9月3日時点の割引率はどの地域も0%です[2]。そのボタンの下に、次のレジがありません。
アプリ内課金がありません。ストアページにアプリ内課金の表記もダウンロードコンテンツの欄も無く、アプリ情報の応答にDLCの項目自体がありません[1][2]。バトルパスもガチャも見当たりません。8月11日の告知は新しいバッジ10種を解放対象として並べていますが[4]、バッジはプレイで開くものであって売り物ではありません。有料の抽選が無いので、公開すべき確率がそもそも発生しません。
ストアページには5つのバンドルがぶら下がっています。Big Walk and PEAK、Landfall Collection、Aggro Crab Collectionといった名前です[3]。どれも『PEAK』に足される追加コンテンツではなく、同じ開発元と販売元の別のゲームを一緒に買う組み合わせなので、この山だけが目当ての人には関係のない一覧です。
ゲームの外に、支払いと接する場所が三つあります。一つはSteamポイントショップです。このゲームの名前が付いたプロフィール用の飾りが30種並んでいて、交換に使うポイントはSteamで支払った分だけ貯まります[1]。次はSteamトレーディングカードで、カテゴリ一覧に入っています[2]。最後がグッズです。販売元が運営するページがYouTooz、Fangamer、Mighty Merchの三か所へ送ります[9]。三つとも、山を登る話とは無関係です。
フレンド一覧がこのゲームのマッチングです
マッチングがありません。マッチングとは、知らない人同士を自動で組み合わせる仕組みのことです。公式FAQはその質問に一行で答えます。『PEAK』はSteamフレンド限定のゲームだ、という文です[5]。フレンドがいない場合の答えも用意されていて、ソロで遊ぶかDiscordに来てほしい、と書かれています[5]。
だから同じ880円が、人によって違う値段になります。夜に時間の合うSteamフレンドが二人か三人いれば、この買い物は元を取ります。フレンド一覧が空なら、一人で登るか、知らない人の集まるDiscordで声をかけるところから始めることになります。好みの話ではなく構造の話です。ゲームが人数を代わりに埋めてくれないからです。
9月2日のパッチが、この場所に一つ足しました。ルームコードが追加されています。開発元は、コンソール版が出たあとに機種をまたいで一緒に遊ぶ手段がこのルームコードだと書いています[4]。
容量は4GB、そのあとは手が慣れるまでの時間
インストール容量は4GBです[3]。この誌面で扱ってきた60GBや130GBの作品と並べると、この数字は目立ちます。最低動作環境はWindows 10、Intel Core i5 2.5GHz相当、メモリ8GB、GTX 1060またはRX 6600 XT、DirectX 12です[3]。対応プラットフォームはWindowsだけで、macとlinuxはアプリ情報でfalseになっています[2]。
最初の数時間がどう流れるかは、何人で開いたかが決めます。一人なら登り方を覚える時間で、四人なら互いのミスを収拾する時間です。そのミスについてはストアの説明が先に警告しています[1]。実績は64個あり[3]、始めたばかりのうちはこの一覧が事実上の目標表になります。
一日ごとに地形が組み直される構造は、この時間帯に性格を見せます。昨日手に馴染んだ道が今日は存在しません。同じ山を繰り返し登るのではなく、毎日初めて見る山を登るほうに近い作りです。
声の話をもう一度しておきます。ゲームの中に台詞がありません。聞こえてくるのは、一緒に登る人が近接チャットで出す声だけです[3]。マイクが無ければ、このゲームの半分が静かになります。対応言語は15で日本語も入っていますが[2]、隣の人が何語で叫ぶかまでは言語一覧が面倒を見てくれません。
FAQには機械ではなく体の話も載っています。キー再設定、乗り物酔い、虫や蜘蛛が苦手な人向けのモードについて、それぞれ項目が立っています[5]。虫が怖くて起動できない人が、払う前に確かめられる場所があるということです。
「最後」と書いたあともパッチは届きます
出発点は一か月のゲームジャムでした。ゲームジャムとは、決められた期間内にゲームを一本作り上げる催しのことです。2026年6月16日の一周年告知が自らそう書いています。一か月のゲームジャムから数百万人のプレイヤーとThe Game Awardsのノミネートまで来た、という文です[4]。
作っているのは二つのスタジオから集まった小さなチームです。公式FAQは、Aggro CrabとLandfallという二つのスタジオの開発者からなる小さなチームが『PEAK』を作っている、と書いています[5]。Steamの表記は開発Team PEAK、販売Aggro Crabと「Evil Landfall?」です[1]。後ろの名前はLandfall自身の悪ふざけです。
コンソール版は準備中で、まだ出ていません。9月2日のパッチ告知は、裏でコンソール移植の準備に多くの作業を割いてきたと書いており[4]、公式FAQも移植作業が進行中だと記しています。同じ答えに約束が一つ付いています。コンソールで手に取った人も、今のSteamのコミュニティや他のコンソールの人たちと一緒に遊べるようにする、という文です[5]。時期はどこにも書かれていません。
ストア自身の集計はこうです。2026年9月3日時点でレビューは366,621件、うち好評が346,379件で、表示は「非常に好評」です[8]。他社メディアの点数ではなく、Steamが自分の購入者から受け取った票を数えた値です。よく引用される販売本数は、開発元の一次告知では確認できませんでした。公式が使っている表現は数百万人のプレイヤーまでです[4]。
日本の年齢区分の表示はストアページにありません。アプリ情報の必須年齢も0です[1][2]。問い合わせはSteamのフォーラム、公式Discord、support@landfall.seで受けています[5]。公式サイトから外に出るリンクはSteamストア、プレスキット、Discord、FAQ、グッズの五つだけなので、他の窓口を探す場所もありません[6]。Steam Workshopとの連携も無く、MODを探すなら非公式のDiscordへ、とFAQが案内しています[5]。
元が取れるのは三通りの人です。一つ目は、夜に一、二時間を合わせられるSteamフレンドが二、三人いる人。二つ目は、最初の支払いのあとストアを開き直さずに済むゲームを探している人。三つ目は、空き容量の乏しいノートPCに入れるものを選んでいる人です。
取れない人も三通りです。一人で遊ぶゲームを探している人には、この作品の半分が閉じたままです。コンソールかMacしか持っていない人は、今日買う手段がありません。新しい内容が継ぎ足され続けるゲームを望む人も、ここでは望むものを受け取れません。大型アップデートは終わったと、開発元が先に書いてしまったからです[5]。
手順が普段と逆になる日です。ストアページより先にSteamのフレンド一覧を開き、夜の時間が合う名前が三つ並ぶかどうかを数えます。答えが出ていないのはコンソールのほうです。クロスプラットフォームを約束したその版が、いつ、どの機種で出るのか。パッチ告知にもFAQにも日付が書かれていません。
出典
[1] Valve. PEAK Steamストアページ(日本語). 2026年9月3日閲覧。
[2] Valve. Steamアプリ情報API、appid 3527290. 2026年9月3日閲覧。
[3] Valve. PEAK Steamストアページ(英語). 2026年9月3日閲覧。
[4] Team PEAK. PEAK 公式Steamお知らせ一覧. 2026年9月3日閲覧。
[5] Landfall. PEAK 公式FAQ. 2026年9月3日閲覧。
[6] Team PEAK. PEAK 公式サイト. 2026年9月3日閲覧。
[7] Valve. Steam 最多プレイチャート. 2026年9月3日閲覧。
[8] Valve. Steam レビュー集計API、appid 3527290. 2026年9月3日閲覧。
[9] Landfall. Landfall グッズ案内. 2026年9月3日閲覧。
スクリーンショット
画像: Steam 公式素材


