買わない理由を11個も自分で並べた開発元のFPSが、2週間あまりで300万本売れました。WARDOGSを今買う前に見ておくこと
100人が3つの陣営に分かれて一つの区域を奪い合う早期アクセスのFPSです。開発元のBULKHEADは発売前に「買うべきでない理由」を動画で公開し、合わなければ返金するよう勧めました。9月26日の告知時点で300万本が売れ、支払いは4,980円の一度きりに任意のサポーターパック1,580円が付くだけです。Steamの評価は英語が非常に好評、日本語は賛否両論に割れています。
選ぶ前に
- ひとことで
- ガチャなしの4,980円一度きりで100人の戦場が開く作品ですが、今買う人は一番安い段で未完成のゲームと英語ボイスチャットのサーバーを一緒に受け取ることになります。
- 始める前に知っておくこと
- ファミリーシェアリングが9月19日から切られています。1本を兄弟で交代して遊ぶことはできず、復活の予定は示されていません
- いま遊ぶ理由
- シーズン02開始、武器4種と車両4種を追加 2026-10-15
- 遊び方
- 対戦
- 1試合ずつの対戦
- 比べてみるゲーム
- もっと気軽にバトルフィールド 61試合ずつの対戦
- 友だちとARC Raidersオンライン協力
Valveが9月26日付で集計したSteam最多プレイチャートで、WARDOGSは5位です。その週の最高同時接続は322,797人で、一週前も5位でした[12]。同じ日に開発元のBULKHEADは、早期アクセス開始から2週間あまりで300万本が売れたと告知しています[9]。この記事は2026年9月27日時点で書いており、同日の日本のSteam売上トップリストでは3位でした[14]。
数字だけを見れば、よくあるヒット作の記事です。この作品が違うのは売る側の姿勢です。開発元は予約受付を始める告知に「WARDOGSを買うべきでない10の理由」という動画を添え、ベータを遊んで期待に届かなければ返金するようにと書きました[4]。発売2日前には11個目の理由をもう一つ上げています[5]。このレビューで確かめたいのは、その姿勢が支払いの仕組みと運営に実際どう表れたかです。
ARMAのModから生まれた3陣営100人の戦場
WARDOGSの根はミリタリーシミュレーション『ARMA』のユーザー製Mod、キング・オブ・ザ・ヒルにあります。開発元は、そのModの原作者たちと何年も直接協力して単独のゲームに作り直したと述べています[11]。ARMAを知らない読者向けに言えば、一つの丘を三つの勢力が同時に奪い合うルールを、銃や乗り物の挙動が現実寄りのゲームの上に載せたものです。
ルールはストアの紹介文ひと段落で足ります。1試合に100人が3陣営に分かれ、256平方キロメートルのマップの中にランダムで置かれた2×2キロメートルの制圧区域に、より多くの人数を入れた陣営が得点します。先に100点に達した側の勝ちです[1]。3陣営には名前と背景があります。西側の民間軍事企業ロンスター、ソビエト人民共和国の復権を掲げるヴァルキラ、テヘランの影の軍隊マンティコアです。舞台は架空の紛争地コルチアで、争いの元はPV-1という架空の資源です[10]。
ほかの大規模FPSと分かれるのは現金の扱いです。すべてのアカウントは1万ドルから始まり、倒されて出直すたびに武器と装備と乗り物を買い直します。味方の蘇生、輸送、区域の確保で現金が入り、その残高は試合が終わっても口座に残ります[1]。制圧区域の中にはさらに小さなホットゾーンがあり、そこにいる人は2人分に数えられ、現金も2倍です。余った現金は金塊に換えて見た目のアイテムを開けるのに使い、経験値は衛生兵からパイロットまで6本の系統に別々に積み上がります。分隊の人数に上限はありません[10]。一人で遊ぶモードはありません。Steamのカテゴリーにあるのはマルチプレイヤー、PvP、オンラインPvPの三つだけです[2]。
サポーターパック1,580円と、開発元が書き残した三つの約束
日本のストアの購入選択肢は、本編4,980円とサポーターエディション6,200円の二つです[1]。サポーターエディションは本編にサポーターパックというDLCを束ねたもので、パック単体だと1,580円です[1][3]。別々に買うと6,560円、セットは6,200円なので、差は360円です。パックの中身は初期武器3丁の迷彩、ヘリコプターの迷彩一つ、スコアボードのサポーターアイコン、ボブルヘッド二つで、性能に触れるものはありません[3]。
同じDLCページに開発元が三行を書いています。早期アクセス中はこのパック以外に課金しない、ゲーム内の現金と金塊は絶対に売らない、迷彩を直接お金で買えるようにはしない、という内容です[3]。確率型のガチャもバトルパスもストアページにはありません[1]。ただし、この約束の範囲は早期アクセス期間です。正式リリース後の課金計画はまだどこにも書かれていません。
値段は上がる予定です。ストアの開発者Q&A欄には、早期アクセス期間を1〜2年と見込み、コンテンツが増えて正式リリースが近づけば値上げする可能性があると書かれています[1]。開発元が8月11日の告知で「段階式の価格」と呼んだものがこれです[4]。今支払う人は一番安い段に立っていて、その代わりに未完成のゲームを受け取ります。
返金は開発元が先に勧めました。8月11日の告知は、ベータが期待に届かなければ返金するようにと書き、製品版についても同じことを繰り返しています[4]。条件はSteamの通常の規定そのままで、購入から2週間以内、プレイ時間2時間以内です[18]。ログイン待機列で過ごした時間がその2時間に含まれるかどうかは、Valveのページには書かれていません。
1本で遊べるのは1人です。9月19日、公式アカウントはBANを逃れるためにファミリーシェアリングを悪用するアカウントがあったため、この機能を切ったと告知しました[15]。Steamストアの機能一覧からもファミリーシェアリングの項目が消えています[2]。兄弟と1本を交代で遊ぶつもりだった人には、2本分の代金がかかります。
発売初日の強制再起動と、2日後に載った謝罪文
発売当日の夜、開発元は接続中の全プレイヤーを強制的に退出させました。9月10日20時20分(UTC)の告知によれば、クライアントの修正を受け取るにはゲームを閉じて立ち上げ直す必要があり、起動すると全員がログイン待機列に戻されました。その後はサーバーが埋まる様子を見ながら、少しずつまとめて入場させています。直そうとした問題はサーバーに入れない、プレイ中に切断される、待機列が長い、の三つです[7]。
2日後の9月12日の告知は、題名こそパッチ0.11ですが半分が謝罪文です。開発元はコミュニティサーバーを軽視し、サーバー一覧の画面がお粗末だったと認め、徹夜で一覧を公式とコミュニティの二つに分けたと書いています。お詫びとして一週間、コミュニティサーバーの試合終了時の現金ボーナスを5パーセント上乗せしました。同じ告知にはアジア地域のサーバー容量を増やしたという一行もあります[8]。コミュニティサーバーは開発元が承認したホスティング業者3社から借りる形で、発売前の告知が「管理者のいるサーバーで遊ぶように」と勧めたことが、チーター対策の実質的な答えでした[5]。
同じ9月12日の告知の最後の節は、経済の悪用に対する処罰基準です。現金のバグを悪用すれば期限付きBANと同時に現金と経験値が0に戻され、悪用法を教えるコンテンツを作れば永久BANです。XP稼ぎ用サーバーに数分以上とどまったアカウントも永久BANで、開発元はプレイヤーが入ったすべてのサーバーを追跡していると書きました[8]。稼ぐことが目的のゲームで、どこまでがプレイでどこからが悪用かを決めているのがこの段落です。一、二度試すのは構わない、繰り返せば悪用だ、というのが開発元の引いた線です[8]。
中央値のプレイヤーは25時間でレベル20、自走砲はキャリア90
最初に起動すると、1万ドルと空の経験値6系統から始まります[1][10]。何がいつ開くかは、発売前日に上がったシーズン1の変更点に書かれています。開発元は自社のデータから、中央値のプレイヤーが20〜25時間遊べばレベル20付近に届くよう曲線を組み、大物の装備を狙う上位5パーセントは周回が必要だと述べました。自走砲はキャリアレベル90、重戦車はドライバーレベル35へ移されています[6]。レベル15に必要な経験値は54,750から110,000へ、ちょうど2倍になりました[6]。
前線基地と大型ハンマーの販売価格も上げられました。告知の表現では「より選択になるように」です[6]。つまり最初の数試合は歩いて区域まで向かい、倒されるたびに何を買うか計算する時間です。味方の輸送や蘇生が現金になるため、撃ち合いが苦手な人にも初日から稼ぐ場所があります[1]。
経験値の曲線はシーズンごとに変わります[6]。シーズン2は10月15日に始まり、開発元が公開しているのはまだ日付とティーザー映像だけです[17]。9月26日の告知は来週さらに知らせると書いています[9]。
英語のレビューは非常に好評、日本語のレビューは賛否両論です
9月27日閲覧時点でSteamのレビューは91,778件、うち70,411件が好評です。Valveの表記では「ほぼ好評」です[13]。言語で分けると絵柄が変わります。英語のレビューは58,999件中48,123件が好評で「非常に好評」です。日本語は616件中353件、韓国語は845件中518件、繁体字中国語は740件中352件が好評で、三つとも「賛否両論」です。簡体字中国語は7,573件中3,088件しか好評ではありません[13]。
理由はレビュー集計には書かれていません。確認できる事実は三つです。開発元が9月12日になってようやくアジアのサーバー容量を増やしたと述べたこと[8]、対応14言語のうち音声があるのは英語だけであること[2]、そしてこのゲームが距離ベースのボイスチャットで回っていること[1]です。この三つを重ねると、日本から起動する人が英語圏の人と同じゲームを遊んでいるのかどうかが、レビューの数字が投げかける問いになります。
ダウンロード前に見ておく数字は二つです。ストレージ50GBとブロードバンド接続で、どちらも最低動作環境に書かれています[2]。日本のストアページにレーティング表示はなく、アプリ情報の必須年齢は0です。ドイツは過激な暴力と粗野な言葉遣いで16歳、ブラジルは14歳、インドネシアは18歳の区分を付けています[2]。プラットフォームはWindowsのみで、コンソール版はローンチトレーラーの告知に2028年とだけ書かれています[2][16]。
今支払う人が受け取るものと、10月15日以降に受け取るもの
ガチャとバトルパスに疲れていて、それでもバトルフィールド級の大規模戦場を遊びたい人にとって、今の値段はこの先で見る値段の中で一番安いものです。毎晩いっしょに入れる友人がいて分隊を組める人、ゲームが変わっていく過程を見るのが楽しい人もここに入ります。逆に、英語のボイスチャットが飛び交うサーバーが負担な人、1本を兄弟で分けるつもりだった人、完成したゲームしか買わない人には今ではありません。
判断に必要な時間は2時間です。4,980円を払い、2時間のうちに待機列にどれだけ足止めされるか、日本語レビューが賛否両論に割れる理由が自分の回線でも見えるかを確かめれば、返金の窓はまだ開いています[18]。答えが出ていないのは約束の終わりです。課金しないという三行は早期アクセス期間にだけ掛かっていて、その期間が終わる1〜2年後にこのゲームが何を売るのかは、どのページにも書かれていません[1][3]。
出典
[1] Valve. 『WARDOGS』Steamストアページ(日本語). 2026年9月27日閲覧。
[2] Valve. Steamアプリ情報API、appid 1867240. 2026年9月27日閲覧。
[3] Valve. Steamアプリ情報API、appid 4809960(WARDOGS - Supporter Pack). 2026年9月27日閲覧。
[4] BULKHEAD. PRE-ORDER NOW!. Steam告知、2026年8月11日。
[5] BULKHEAD. The 11th Reason NOT To Buy WARDOGS. Steam告知、2026年9月8日。
[6] BULKHEAD. Pre-Load Live & Season 1 Changelog. Steam告知、2026年9月9日。
[7] BULKHEAD. Launch Stability Hotfix #1. Steam告知、2026年9月10日。
[8] BULKHEAD. SCHEDULED MAINTENANCE & PATCH 0.11. Steam告知、2026年9月12日。
[9] BULKHEAD. 3 Million Sales + Golden Joystick Awards. Steam告知、2026年9月26日。
[10] BULKHEAD. WARDOGS - TOP QUESTIONS. Steam告知、2026年2月18日。
[11] BULKHEAD. Evolving the King of the Hill Mod!. Steam告知、2026年2月19日。
[12] Valve. Steam最多プレイチャートのデータ. 2026年9月26日集計、9月27日閲覧。
[13] Valve. Steamレビュー集計API、appid 1867240(全体と言語別). 2026年9月27日閲覧。
[14] Valve. Steam売上トップ(日本). 2026年9月27日閲覧。
[15] WARDOGS(@WARDOGSUpdates). Heads-up:ファミリーシェアリング停止の告知. X、2026年9月19日。
[16] BULKHEAD. WARDOGS LAUNCH TRAILER. Steam告知、2026年9月10日。
[17] BULKHEAD. WARDOGS | Season 02 Teaser. Steam告知、2026年9月22日。
[18] Valve. Steamの返金について. 2026年9月27日閲覧。
スクリーンショット
画像: Steam 公式素材




